【他社復旧不可→データ復旧 成功実績】結婚式の映像データ8組分が保存されたHDが床に落下 激しく損傷してアクセス不能となった状況から、大切なデータの救出に奇跡的に成功!!
【障害内容】某映像制作会社様より、合計8組の結婚式および披露宴の重要なデータが大量に保存されたハードディスクを持ち運び中に床に落としてしまい、その後データが全く読めなくなった・・とのことで緊急データ復旧のご依頼をいただきました。
実は当社にお持込みされた前日、札幌市内の別の専門業者に診断を依頼されたとのことですが、復旧料金があまりにも高額(100万円以上??)だったことと、物理障害のハードディスクは札幌では直接対応出来ない(設備が無い・技術者がいない)ため、急ぎであれば札幌のスタッフが飛行機に乗って本州(の本社にある復旧ラボ)まで持って行き緊急対応も可能・・と言われたとのことですが、時間と費用があまりにもかかるためその業者をその場でキャンセルされ、その後当社へお持込みいただき、即時に正式ご依頼をいただいたものです。
写真1 落下した機器と交換した故障ヘッド
写真2 プタッタ損傷状況の一部
写真3 ドナーHDDと交換ヘッド
写真4 データ救出中の状況(常時ファンで排熱・ゴムマットの凹凸は基板冷却のため)
【復旧状況】お客様ご申告内容により、HDD内部の状態がかなり悪化していることが予想されたため、状態をさらに悪化させないように通電による診断は一切せず、直ぐに社内クリーンルームでHDD内部の状況を正確に確認したところ、写真2 のように全てのディスクの外周全体にヘッドが擦れて引っかいた激しい損傷があり、重度物理障害まできちんと対応しているデータ復旧専門業者であっても、状況的に「復旧不可能」と判断されるのではないか・・と思うほど、HDD2台共にお預りの時点での内部状態は極めて悪化しておりました。
当社では、このような高難度物理障害の状況からもデータ復旧を奇跡的に成功させた実績が多くありますが、今回もいつも通りの独自の手法でディスク盤の表面を何度も繰り返しクリーニングし、その後、磁気ヘッドの交換を複数回実施して高性能データ復旧ツールでデータの救出を行いました。
しかし、WesternDigital製の WD30EZRZ は損傷があまりにも激しく、プラッター上にトゲが尖ったような状態になっており、またディスク盤が少し歪んでいたため、最終的に当社でもデータ復旧は不可能でしたが、Seagate製の ST3000DM001 はデータを何とか読める状況にすることが出来、データ救出中に周期的にエラーが多発していたものの、様々なアプローチでデータ救出作業を行い、開始当初はエラーが頻繁に発生していた箇所からもヘッドの動きをコントロールさせたりHDDの角度を変えたりして再読み込み操作を何度も何度も繰り返し行った結果、最終的にヘッド交換3回実施後、HDD全論理セクターの96.71%(写真6)のデータを救い出すことに成功しました。(RAID1 ミラーリング設定なので、片側のHDDからデータを救出できればデータ的にはOKとなります)
最終的に取得データから論理的修復を行い、フォルダー構成等を反映した結果とデータ種類別に復旧した2通りの結果で無事納品を終えましたが、状況的にはデータの読込み速度は通常よりも極端に遅くなることと、実データが3TBハードディスクにほぼフルに保存されていたことにより、全てのデータ復旧を完了するまでに約4ヶ月の長い期間を要しましたが、復旧開始当初、ホテル関係者様や責任者の方々がデータ復旧の実際の現場を見学されて全てを任せていただいておりました。
尚、途中何度か復旧データを分納で納品済みであり、あとは時間の問題・・という状況となってはおりましたが、途中までの復旧結果では復旧出来ていなかった新郎新婦さんの大切な結婚式の映像が、最終結果の中に無事含まれていることを確認していただくことが出来、復旧データを引き取りに来社された担当者の方も、その映像を確認されて一安心・・という表情で、復旧開始当初は本当にどうなるか全く予想が付かない状況でしたが、大きなご期待に最高の結果でお応えすることが出来、お役に立つことが出来て本当に良かったです。
写真5 HDD全体のデータ読込み状況(消去済みを含めると3TBフル)
写真6 最終イメージ取得結果(■緑色が読込み成功)
【対象機器】USB外付けHD (HDD2台 RAID1) WD30EZRZ 3TB / ST3000DM001 3TB
【希望データ】大量の映像撮影データ、編集中の各種データ、他
【データ救出率】状態の良いHDDの全論理セクターから 96.71% 救出に成功
【復旧結果】
1. フォルダー構成反映 1.62TB 40,518ファイル 1,639フォルダー
2. データ種類別 2.67TB 66,461ファイル